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トピックス 2025年11月28日

静岡から輝く女性経営者たち SHIPとつなぐミニJ300の輪

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静岡県が運営するイノベーション拠点「SHIP」では、地域における起業支援や新規事業開発、DX支援、
デジタル人材やイノベーション人材の育成を目的とした多様な支援を行っています。
本シリーズでは、SHIPを活用し成長・発展を遂げた起業家や企業、プロジェクトの事例を通じて、
SHIPが果たす役割と効果をご紹介いたします。
皆さまの今後のSHIP活用のヒントになれば幸いです。ぜひご覧ください。
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2025年9月、スパイシーな女性経営者を発掘する「ミニJ300」がSHIPで開催されました。

イベントではトークセッションやPRシートを使ったワークショップなどが行われ、会場は終始、活気に満ちた雰囲気に包まれていました。

今回、J300の静岡アンバサダーであり、自身も女性活躍や人材育成に精力的に携わってきた、うるおいキャリア代表 内田美紀子さんに、イベント開催までの経緯やSHIPからのサポートについて伺いました。

https://uruoicareer.studio.site/

個性あふれる女性社長を発掘するJ300

この度SHIPで開催させていただいた「ミニJ300」は、全国各地の個性あふれる女性社長を発掘するイベントです。

J300実行委員会と各地の女性社長アンバサダーと共催で行い、女性社長同士の交流や将来の方向性、他企業とのコラボを考えるきっかけとなることを目指しています。

また、そこでノミネートされた女性経営者・個人事業主の中から最も個性あふれるスパイシーな女性を選出する「J300アワード」表彰も行っています。

ミニJ300の元となる「J300」は、株式会社コラボラボの横田響子社長が2009年に始めた取り組みです。もともと「不況を吹っ飛ばそう!」を合言葉に女性社長300人が集まる単発のイベントの予定でしたが、内閣府や大学などと連携することで一気に拡大していきました。

さらに2013年より、「ミニJ300」という形で、その裾野を全国に広げました。私はこの10年間、静岡のアンバサダーとして、ミニJ300の開催とノミネート者の選出を担当してきました。

女性とクリスマスケーキの喩え

私は現在、うるおいキャリアという屋号で「性別・年齢に関係なく、自分らしく働ける社会づくり」をテーマに、キャリアや生き方に悩む方々のキャリア支援を行っています。

具体的には、転職や起業、専業主婦からの再就職、定年後のセカンドキャリアなど、それぞれのライフステージに合わせた相談を行っています。また、個別カウンセリングのほか、ワークショップやイベントも開催し、仕事だけでなく人生そのものを見つめ直すきっかけづくりに取り組んでいます。

私がキャリア支援に関わるようになった出発点には、女性の働きにくさがあります。

女性をクリスマスケーキに喩えた例をご存じですか。女性もクリスマスケーキも25歳(日)を越えると売れ残りになって、価値がなくなってしまうという喩えです。

それほど20代後半の女性に厳しい時代に、私が転職して入ったのが求人情報誌を発行しているアルバイトタイムスという会社でした。なぜそこに決めたかというと、当時では珍しく、年齢も性別も関係なく、同じ条件で雇ってくれる会社だったからです。

「ここしかない!」と思って転職したのが、人材ビジネスに関わることになったきっかけです。そこからご縁があって、女性のキャリア相談に携わることになりました。

そこで出会った女性たちの多くが、私がかつて経験したのと同じような、男女の不平等や昇級・雇用の不安定といった働きにくさに苦しんでいました。

「そういった方々に女性活躍という観点から何かできないだろうか」と考えるようになり、多様な人が輝ける職場づくりを支援する「るるキャリア」という会社を立ち上げました。

るるキャリアでは、個人のキャリア支援に加え、企業の研修やコンサルタント事業に携わりました。横田社長と知り合ったのもこの頃です。

ところが、事業を行う中でまた新たな課題が見えてきました。昔ながらの働き方に苦しんでいるのは女性だけではなかったんです。男性も同じように働きやすい社会にならないと、女性の働き方は変わらないのではないか。

事業を始めて10年経った頃、会社を事業承継し、女性だけでなく男性へのキャリア支援も行う現在の「うるおいキャリア」の取り組みを始めました。

スパイシーな女性が活躍できる静岡に

ミニJ300のノミネート者の選出は、これまで人づての紹介やイベント参加者への声かけを通じて行ってきました。

しかし、開催を重ねるうちに「もう少し磨けば大きく飛躍するかもしれない」と感じる、まさにダイヤの原石のような方々が静岡には多く存在することに気づきました。

そこで近年は、「次回挑戦してみませんか?」「プロジェクトが形になったらぜひ」といった形で、来年、再来年の活躍が楽しみな方々に積極的にお声がけしています。

このうように静岡には、まだ世に知られていないスパイシーな人——独自の発想や強い情熱を持つ方々——がたくさんいます。

たとえば、こんにゃく産業の発展に力を注ぐ岩崎蒟蒻店の岩崎真紗美さんや、地酒を生かした商品開発に取り組む富士の酒の榛葉冴子さんもその一人でした。

岩崎真紗美さん紹介記事

https://joseishacho.net/interview/entry18932/

榛葉冴子さん事業紹介

https://www.youtube.com/watch?v=WIbKEQetMss

これからも、そんなスパイシーな女性たちが自らの想いを発揮し、より一層活躍できる静岡をつくっていきたいと考えています。

普段では出会えない層へもアプローチできた

SHIPは普段から頻繁に利用させていただいていますが、利用されている方々の雰囲気や職業の多様さから、「ここでイベントを開催したら面白いかもしれない」と考えるようになりました。

そこで今回、ミニJ300の会場としてSHIPにご協力いただきました。

ミニJ300自体は全国共通の形式が決まっているため、本番当日の内容を大きく変えることはできません。ただ、SHIPの皆さんと何度か打ち合わせを重ねる中で、「1回きりで終わらせず、複数回にわけて開催できないか」というご提案をいただきました。

ミニJ300では必ずPRシートの提出が求められます。そこで、「その書き方をイベントの中で学べるようにしよう」という案が生まれ、さらにスタートアップ関係者を招いてトークセッションを行う『SHIP スタートアップナイト』と連動させることで、全3回構成のセミナーとして実施することになりました。

スタートアップナイトでは、経営者だけでなく企業にお勤めの方や学生の参加も多く、普段のJ300では出会えない層の方々に私たちの活動を知っていただく貴重な機会となりました。認知活動の観点からも非常に有意義だったと感じています。

また、会場内では、これから起業を考えている方と学生が自然に交流し、新しいコラボレーションの話で盛り上がる場面もありました。

SHIPを会場にしたからこそ起きた化学反応であり、私たちだけでは生み出せない価値だと感じました。

やっぱりプロの視点は違う

登壇者の方々の熱量もすごかったのですが、それに感化されたのか、会場内は熱気に溢れていました。

SHIP相談員の方々にも大変お世話になりました。とくに印象的だったのはPRシート記入の回です。

初めての方々がほとんどだったので、まずは自己紹介を兼ねた形で書きましょうという形式で進めていきました。

PRシートでは、頭の中にある想いや自分の強みをアウトプットしていただきました。私は書き方のポイントだけレクチャーして、あとはミニJ300の登壇者やSHIP相談員の方々に各テーブルに入っていただき、ブラッシュアップを進めていきました。

さすが、多くの方々のスタートアップ支援をしてきたSHIPの方々です。

アドバイスが的確で「やっぱりプロの視点は違うな」と感心してしまいました。お手伝いいただいて本当にありがたかったです。

PRシートのワークショップでは「もうちょっとブラッシュアップしたら素晴らしいシートになるだろうな」と思える方が少なくありませんでした。可能なら全員のシートを長期的な目でブラッシュアップしていきたいと思ってしまいました。

ここでつながりを断ってしまうのは非常にもったいないです。せっかくなので、今後もミニJ300に関わった人たちにSHIPを利用していただきたいですね。そして、SHIPには無料で相談できる相談員の方々がいることを、もっと多くの方に知っていただきたいです。

熱気に包まれたJ300

〈SHIP相談員 野田翔太〉

普段のSHIPのイベントは、どちらかというと勉強会やセミナーなどのインプット中心の場が多いのですが、今回は参加者のアウトプットに対する熱量がひしひしと伝わってきました。こちらもその空気に負けないよう、良い緊張感を持って臨ませていただきました。

今回は、私たちが普段スタートアップの相談員として行っている助言を、PRシートという形式に落とし込む形で関わらせていただきました。使用されたPRシート自体も非常によく設計されており、私たちにとっても多くの学びがありましたし、違和感なくサポートに入り込むことができたと感じています。

熱い想いを持った方も多く参加されていました。

とくにパネリストの方々のトーク後は、その熱気が会場全体に伝わったのか、参加者の表情が一気に変わったのが印象的でした。熱意には熱意で応えたくなるもので、「もう一歩進めるのではないか」「私たちにできることはないか」と後押ししたくなるシーンもたくさんありました。

内田さんが「J300を知ってもらうきっかけになった」とおっしゃっていましたが、SHIPとしても、認知を広げる貴重なきっかけになったと思います。参加者の方の中には、県の取り組みと相性の良さそうな方がいらっしゃったので、産業イノベーション推進課の方とおつなぎさせていただきました。そのように新たなつながりが生まれるシーンも多々ありました。

恥ずかしながら、私はこれまでJ300について詳しく知る機会がなく、また「女性起業家」という視点でスタートアップの支援や環境づくりを考えたこともほとんどありませんでした。

しかし、今回の取り組みに触れる中で、挑戦する女性たちに焦点を当て、後押しする仕組みとして非常に意義のある活動だと感じました。自分自身の価値観を見つめ直すきっかけにもなり、多くの学びを得られる時間となりました。

スナックはじめました

じつは先月、静岡の街中にスナック「大人のすなbar かどっこ」をオープンしました。

https://sunabar-kadokko.studio.site/

スナックと聞くとびっくりされる方もいるかもしれませんが、私の中ではすべてつながっているんです。人をつなぐ仕事の次のステップとして、自己実現を応援する場をつくりたいというテーマが浮かんできました。

このスナックは、ただお酒を飲んでお喋りをするだけではなく、「飲みに来た人同士がつながること」をコンセプトにしています。

希望があれば、スナックのママやマスターを体験してもらうこともできます。こうした役割を一度やってみたいという方は思いのほか多く、自己実現のきっかけづくりや、自分なりのノウハウを磨ける場にもなればと考えています。

始めたからには、最低でも10年は続けるつもりです。これからも焦らず、じっくりと静岡の「人」と「場」を育てていければと思っています。

 

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